株式会社 太陽

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目の偶像
メソポタミア、石灰石、紀元前2000年紀
高さ 16.5cm

眼の偶像はシリアの北部から出土しています。有名な発見は、1937-1938年にテル・ブラック遺跡で行われたマックス・マロワン隊長が率いたイギリスの発掘調査で見つかった「眼の神殿」でした。
眼に力が宿り、魔除けになるか、あるいはその反対、禍することもあるとの考えは多くの古代文明に共通しています。古代美術における眼は、全てを見通す神の眼、悪魔の眼、また禍から守る護符の眼など様々でした。メソポタミアの眼の偶像は魔除けの意味があって、奉納品だったと思われています。
眼の偶像の形も大きさも実に様々です。この作品のように大型のものもあれば小型もあって、材質はアラバスターや石灰石が多く見られますが、テル・ハラフを連想させるチャコールグレーの玄武岩や赤色角礫岩などのものもあります。形も様々で、こちらこの大型で丸い眼鏡のような形が棒状の土台についている作品は、抽象的な表現で芸術性が高いものとしてやや珍しいです。
より写実的に感じられる目の偶像は胴体を思わせる二等辺三角形の上にアーモンド形の目が付いている小型のタイプが多く、たまには同等二体や大小違いの組み合わせも知られています。どの形も様式化が現代美術を上回る芸術的ビジョンで驚かされます。
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