オリエント考古美術
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古代グラス

   
ガラス工芸は紀元前15世紀に始まり、発祥地としてはメソポタミアとエジプトが挙げられています。最初のガラスの器は、サンドコア(土の芯)に融かしたガラスを巻きつけるかあるいは型で形成する技法によるものでした。
右下の写真はサンドコア技法によって作られた香油瓶です。中身を出すには細いガラスの棒が使われていました。その棒は象牙の蓋に取り付けられており、とてもお洒落な蓋付きの器になっています。香油瓶とその蓋は古代から揃って残っているのはとても珍しく貴重なことです。
左のミレフィーオリガラスはモザイクガラスの一種です。最も古いモザイクガラスの器は紀元前14世紀頃のメソポタミアとエジプトから出土していますが、この形の器は、ローマ時代に普及していたと言われています。この容器は、紫・黄色・青・緑色・白などの色ガラスで作られた棒を小片に切り、粘土の型の上に並べ、上から更に型を乗せて熱してガラス融合させて作られました。ミレフィオリと言う名称はイタリア語で「千の花」を意味します。
ミレフィオリガラス
東地中海沿岸出土、紀元前後、ガラス、径 9.5 cm
   
一方、紀元前1世紀後半に発明された吹きガラス技法は革命的な技術進歩でした。吹きガラス技法は形の自由化や生産の加速に繋がりました。「ローマングラス」という表現が生まれるほどローマ期はガラス生産の最盛期で、ガラスの使用が広がり、食器類や骨壷までガラスで作られるようになりました。但し、古代なりの多量生産が可能になってガラス容器は広く普及したとは言え、使用者は位の高い社会層で、ガラスはやはり貴重品でした。
ローマングラスの大きな需要は香油瓶でした。香油は上流階級が体につけていた日用品でした。土器、陶器や青銅と違ってガラスは化学反応を起こさず、器の壁に油が浸透しないので、発見されて間もなく優れた素材として香油に使用されるようになりました。
香油瓶
東地中海沿岸、紀元前2-1世紀、高さ 15 cm
貴重な香油が漏れないように注ぎ口の手前に弁を設けるなどの仕組みが古くから導入されていました。そこに吹きガラス技法による形の多様化と作り易さが多くの作品を産み出しました。吹きガラスのプレーンな表面は、まだ熱い内に摘まれた突起やガラスの糸細工で飾りを施すこともあれば、ガラスを型の中に吹き込み形成する方法もありました。左側の香油瓶はその技法の例です。形も色も葡萄をイメージする作品です。
香油瓶
東地中海沿岸、紀元2〜3世紀、高さ 13.5 cm
ガラスの糸細工で飾られた香油瓶
地中海東沿岸、紀元4世紀、高さ 9.5 cm


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