ウシャブチは、ミイラの形をした副葬品の一つです。故人の代わりに来世で働くと信じられていました。両手に農具を持って、種の入った袋を方から背中にかけています。
このウシャブチは末期王朝時代の第26王朝以降、つまり紀元前664-30年の間に生きていたと推定されるテフ・ナクフト(TEF-NAKHT)と言う神官のために作られたものです。
胴体にはエジプトの象形文字、ヒエログリフで7行が書かれています。右から左へ読まれるこの文章の始めは故人とその両親の名前と肩書きが含まれており、その後「死者の書」第6章を省略する決まり文句が続いています。肩書からテフ・ナクフトが採石場の仕事の監督、フィレの管理者の任務を果たしていたことが分かります。フィレと言うのは、古代エジプトにおいて神殿でのお使い、労働、王や神官の葬儀などの仕事のために一時的に編成されていた人のグループでした。
現在まで伝わる最も多くの古代エジプトの美術品は、神殿やピラミッドの巨大建築とエジプトの王、ファラオや神官など位の高い人の墓から出土した副葬品です。来世を信じる古代エジプト人は、墳墓の備え付けによって故人の来世を豊かで楽なものにすることが目的でした。故人が前世に使っていたものやその模型を副葬品としてお墓に入れていました。
ウシャブチ、エジプト、末期王朝時代、ファイアンス、高さ:17.3 cm

←戻る