このリュートンは、太古から牛の角を飲むのに使う角杯に由来しています。多くの場合、角を象ったリュートンの先端に動物の頭部かあるいは前身を表す装飾が施されていました。材質は様々で、陶器や金、銀、青銅、ガラスなどのリュートンが生産されていました。
このリュートンは注ぎ口が美しい曲線の角を持つ山羊の頭部の形になっています。山羊の顎と頭部から延長している管状の部分の境目に付けられた球状の飾りを以って、この器を3点支えで安定して立てることが出来、工夫が優れています。
このリュートンが作られたバクトリア地方(現在のアフガニスタン)に青銅器時代に文化が栄え紀元前2千年紀から主に動物を題材にした青銅品が多く作られていました。神話に登場する動物や祭器に表された動物の表現は精神な力に漲っていましたが、日常生活を共にする身近な動物を写実的に表す作品には愛敬が感じられます。
リュートン、バクトリア、紀元前1千年紀、青銅、長さ:23 cm

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