株式会社 太陽

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植物紋様の柱
バクトリア・マルギアナ、紀元前3千年紀、緑泥岩
高さ 19 cm

この柱の全面に2種類の様式化された植物紋様が施されています。最も下のボーダーは、バクトリア美術を論じる参考文献において、ナツメヤシの木と解釈されています。その模様の類例は石の彫刻のみならず青銅製の鏡にも見られます。その上のボーダーの模様はうろこ状のナツメヤシの幹の皮を表しているようです。それぞれ三段交代で配置されています。この模様の芸術的な高い水準を示し、モダンに通じる素晴らしいアイディアは、葉と実が確認できるナツメヤシの木の模様は遠くから見た植物を表す一方、交代で来るボーダーは幹のクローズアップです。用途に関して様々な説がありますが、祭器の一種だった説が最も強いです。

この種類の器の最も有名な類例はイランのケルマン州のジロフト遺跡の出土品が参考になります。但し、同時代に西アジアから中央アジアにかけての広大な地域に生まれエラム・メソポタミア・バクトリアの文化を網羅したいわゆるインターナショナル・スタイル(International Style)内に地元の特色を示しながらも共通の形や雰囲気の作品が生まれていました。従って、この作品に類似したものはバクトリアにもメソポタミアにも見かける可能性があります。
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